当協会のホームページをご覧になった県外の方から、「ショッツル鍋のハタハタに頭が無いのはなぜか?」との質問をいただきました。季節ハタハタの時期になると、毎日のように食べている秋田県民にとって、鍋の場合、ハタハタの頭を取るのは当たり前で、おかしいと感じることはまったくありませんでした。
ハタハタのショッツル鍋(写真1)、キムチ鍋(写真2)、煮付け(写真3)、味噌漬け焼き(写真4)など、必ず頭を取ります。理由は簡単で、食べやすく、大量に食べるためです。
最初に、ハタハタの頭を切ってから(写真5、6)、鍋に入れたり、焼いたりします。出来上がったら、尾を折り、箸で魚をはさんで身離れをよくして、背骨の頭側を指で持ち、前へ抜くのです。すると、丸ごと食べられるようになります。結局、残るのは骨だけになるのです(写真7)。
鍋にハタハタをまるごと入れると、頭がバラバラになってしまい食べにくくなります。要は、頭を取るというのは、一挙に、大量に食べるための方法なのです。ハタハタに関しては、見た目よりも食べやすさが大事なのです。
ハタハタの料理法は、親から子へと伝承される当たり前のものですが、その背景には、長年引き継がれてきた先人たちの知恵があるのです。
今回の質問で、このことをあらためて考える良い機会となりました。ありがとうございました。
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