No.28 水産棟に朝9時に入ると(卸売市場開放デー 3月15日)
 水産棟に朝9時に入ると、場内はすでに混み合っており(写真1)、今日はどんな魚と出会えることができるかと胸は期待に膨らむ。
 まず、マダラ(写真2)とヤリイカ(写真3)に眼がいく。その隣が、サクラマス(写真4)だ。また、ちょっと歩くと、ババガレイもある(写真5)。みな秋田産で、マダラはさし網で船川産、ヤリイカは定置網で北浦産だ。サクラマスは定置網で天王産、ババガレイは北浦産だ。分からないのは、店の人に聞くと教えてくれる。歩きながら、見ているだけで嬉しくなる。
 マダラは今の時期、「棒ダラ」と呼ばれ安い。12月から1月ころまでは生殖巣が充実し、腹部は大きくふくらみ、特に雄の生殖層は「ダダミ」と呼ばれ極端に高くなる。しかし、産卵が終わったものは、雄も雌も生殖腺が軽くなり、単なる「棒」のように見える。が、実際は身の部分が美味しいのだ。今日は、これを買おうと思う。
 次はヤリイカだ。まさに旬で、鮮度がよい物が並んでいる。マイカと呼ばれるスルメイカと比べ身は薄いが食べやすく、上品で香りが素晴らしい。産卵期は4〜5月で、大型のものはこれから出るようになるので楽しみだ。これも買う。
 いくつかの店では、鮮度がよく美しいサクラマスが並んでいる。「マス」とか「本マス」と呼んでいるが、春の旬の魚サクラマスだ。ただし、今の時期、このサイズのものがどこから来たのか知りたいところだ。サクラマスは、本来、冬から春に数十グラムのものが銀色になり川から海に降り、1年後には数キログラムに成長し、今度は逆に、同じ頃に海から川に上がり、秋に産卵する。そう考えると、今の時期に500グラム前後が男鹿半島で漁獲されるのはどう移動しているのだろうか。
 次は、男鹿半島産のババガレイだ。ババガレイは、身が厚く白身で、煮付けと決まっている。それ以外は食べたことがないが、一度、別の料理法にトライしたいと思っている。 
それ以外にも、青森県のマガレイ、ドブカスベ、マフグ(写真6)のほか、北海道東側の沖で獲られるベニザケ、ニシンは北海道産と太平洋のマサバ(写真7)、ノルウェー産のタイセイヨウサバ、サケ類の筋子やスケトウダラのタラコ、マグロ類の刺し身(写真8)、・・・・実にたくさんのものがある(写真5、写真6)。
ゆっくりと時間をかけて見ながら、考えながら、店員に教えてもらいながら、買うものを決めたい。
なお、卸売市場開放デーは、毎月第3の土曜日、午前9時〜12時まで。駐車場は十分にあるので、ゆっくりと時間をかけて。

写真1 朝から人が混んでいる
写真2 マダラは鮮度が良い
写真3 ヤリイカは北浦産だ
写真4 サクラマスの顔は鋭い
写真5 ババガレイは卵がつまっている
写真6 左から、神奈川県産マイワシ、青森県産マフグ、青森県産ドブカスベ、青森県産マガレイ、秋田県産ババガレイ
写真7 北海道産ニシン、太平洋産マサバ
写真8 マグロ類は市場の定番だ
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