No.23 初荷・初売り・大漁
 2014年1月5日(日)、秋田市公設地方卸売市場を見に行きました。その日は市場の初荷で、5時30分から式が行われましたが、いつもと同様、市場には県内外の魚が並び、関係者が忙しく出入りしていました(写真1〜25)。その際、市場流通について考えてみました。
 「漁業者がいて、消費者が買えば十分だ。」「市場は不必要、それで問題がない。」「卸売業者、仲卸業者、小売業者などの、いわゆる市場流通は不要だ。」という声を聞くことが少なくありません。しかし、実際に現場にいると市場は必須で、その流通が無くなれば大変です。美味しい魚が食べられなくなるのです。

@日本の魚の鮮度がきわめてよく、一定量が確保できるのは、市場の売り手(卸売り)から買い出し人(小売商)までの流れ(市場流通)に、多くの関係者が機能的に関わっているからです。

A消費者が国内外の魚を食べることが可能なのは、市場流通があるからです。消費者が漁業者から直接購入することは、量、種類、質、価格などを考えても不可能です。市場流通が、地元の旬の魚を保障しているのです。

Bすし屋や飲食店、調理者などが、必要とする魚の種類、量、価格などを自分たちで交渉し、漁業者から直接購入することは不可能なのです。

 一方、既存の流通には、多くの問題点があるのも事実です。漁業者から消費者に至るまでの流通、逆に、消費者から漁業者までの流れについて考える必要があります。


写真1:初荷の旗が並び、雰囲気が出ている。
写真2:市長や卸業者の挨拶があり、最後に、関係者全員より手拍子を行う。
写真3:この時期、男鹿産の大型マダラには迫力がある。
写真4:男鹿産のアンコウに驚く。
写真5:今の時期、男鹿産マダイは刺し身として貴重だ。
写真6:これからの雄のマダラは、刺し身用に高価になる。
写真7:生殖腺の鮮度と成熟度合いを示す。
写真8:マダラでは雌雄で価格が極端に違うので、雌には箱に「子」と示す。
写真9:クロソイは12月に交尾し、5月に産仔する。
写真10:サワラは大型のものは刺し身用に高価だ。
写真11:泡を出している北海道日高産のケガニ。
写真12:根株は、秋田県産であれば4月になるので、今の時期は太平洋産だろう。
写真13:ブリ類 の生産量は、天然111千トン、養殖146千トンだ(2011年)。
写真14:養殖ブリは周年確実に生産可能なので、業者にとって重要な位置づけだ。
写真15:マダイの生産量は、天然15千トン、養殖61千トンで、養殖は天然の約4倍だ。
写真16:市場には、ロシア産の活きているズワイガニも並ぶ。
写真17:淡水魚も並ぶ。
写真18:仲卸が並ぶ通路
写真19:仲卸の店頭でやっとハタハタ(雄個体)を見つけた。
写真20:仲卸の店頭で青森県産のゴマフグ(みがきフグ)を見た。
写真21:卸売業者のトラックが並ぶ。
写真22:仲卸業者を購入した小売業者の車。これから、自分の店に帰り消費者に販売する。
写真23:朝7時には、市場のセリはほぼ終了した。
写真24:市場関係者の食堂は早朝6時から午後の2時まで。左側には、NPO法人 秋田水生生物保全協会の事務所がある。
写真25:今日の昼は食堂で、スズキのこぶ締め、マグロ類(メバチか)、卵、サーモンなどの海鮮丼だ。
写真1 初荷 写真2 初売り
写真3 秋田男鹿産マダラ 写真4 男鹿産アンコウ
写真5 男鹿産マダイ 写真6 船川産マダラ雄
写真7 船川産マダラのオスの生殖腺 写真8 マダラのメスのことを子と表記(岩手県大船渡産)
写真9 クロソイ 写真10 サワラ
写真11 北海道日高産ケガニ 写真12 ワカメ根株
写真13 養殖ブリ 写真14 ブリ養殖香川
写真15 養殖マダイ 写真16 ロシア産ズワイガニ
写真17 八郎湖産ワカサギ 写真18 仲卸
写真19 ハタハタ雄 写真20 ゴマフグ(みがきフグ)
写真21 仲卸トラック 写真22 小売店
写真23 市場関係者 写真24 市場卸し終了
写真25 本日の昼食「かわせみ」の海鮮丼
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