No.21 南方の魚がとれました クサヤモロ
 秋になると、毎年、対馬暖流に乗って珍しい魚が男鹿半島までやってきます。これらの南方性の魚類は、漁業や海水温との関係を把握する意味でも、その出現状況に関する多くの事例を蓄積する必要があります。
 今回確認したクサヤモロは、小型のカンパチやウマヅラハギなどの中でこの1個体だけでした(図1)。本種は、背鰭と臀鰭の後方に1対の鰭(小離鰭と呼ぶ)があり、尾鰭は
薄い黄色で、背鰭前方の鱗は眼の中央を越していること(図2)などの特徴があります。
 県内では、アジの仲間ではムロアジ、マルアジ、オアカムロ、モロ、メアジなどが把握されていましたが、これからも、日本海に生息するさまざまな魚を把握していきたいと思っています。


写真:全長292mm,尾叉長273mm,体長264mm(2013年9月1日 男鹿市畠地先 定置網漁業)
図1 クサヤモロ 図2 背鰭前方の鱗と眼との位置
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