No.14 クロヌタウナギ
2013年9月11日 三島丸

 夏から秋は、元気が出る食べものが必要だ。そして冬から春には脂がのったものが食べたくなる。そんな周年食べたいものが、クロヌタウナギだ。
地元では「棒あなご」とか「男鹿の棒あなご」と呼んでいるが、この味を知らないとしたら、あまりにももったいない。
クロヌタウナギは、口が円形で顎が無く、分類的には脊索動物の脊椎動物門円口類だ(写真1と2)。焼いて口に入れると、パリパリとした皮とムッチリした肉、そしてコリコリとして真ん中にあるのが白色の脊索であり、円口類の特徴がよくわかる。
 この「力の源」を漁獲しているのが、男鹿半島の三島丸さんだ。午後に出漁し、夕方になると水深120m前後に餌を入れたカゴを設置する。夜中になると回収し、翌日の2時頃に戻ってくる(写真3)。
仕事はこれからだ。直ぐに金串を刺してぬめりを落とし、4時間ほど干す(写真4)。それをさらに指でしぼり、ぬめりを落とし、1時間ほど干す。これを大きさごとに分けて、個々に冷凍する。すべて三島丸さんが獲り、自分で加工するのだ。
私たちは、これを食べればよいだけだ。その際、冷凍のまま、できるだけ強火で焼くこと。脂がのっているので、大根おろしは必須だ(写真5)。
生鮮ものが手に入った時は、ぶつ切りにしてゴボウを入れ味噌汁にするのもよい(写真6)。皮はぬるっとしており好みが分かれるようだが、白色の身には迫力があり驚かされる。
ちょっと前までは、地元でさえこのことを知らない人が多かった。しかし、最近になってテレビの全国ネットで知られるようになり、やっと多くの人が足下に素晴らしい食べ物を持っていることに気がついたようだ。
結局、地魚・旬の魚を自分の力で手に入れ、自分の舌で食べなければ、素晴らしい世界を知ることは出来ない。
図1 クロヌタウナギ体側 図2 クロヌタウナギ腹側(穴は外鰓)
3 三島丸さんの帰航(2013911日) 図4 1個体ずつ刺し、干し上げる
図5 「男鹿の棒あなご」の絶品 図6 生をぶつ切りにし、ゴボウを入れ、味噌汁にする
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