八郎湖の豊かな恵みを味わう会(八郎潟町公民館、2013.11.16)

 「八郎湖の豊かな恵みを味わう会」を、平成251116日に八郎潟町公民館で開催しました。当日は、10代から80代まで50人以上の方々に来ていただきました。

 最初に、安田貞則先生から「八郎潟の漁撈」という題で、八郎潟の歴史から魚の食べ方まで広範にわたり講演をいただきました(写真1)。安田先生は地元での教師時代から現在にいたるまで、八郎潟の漁業に従事されています。
 続いて、当協会の杉山から「八郎潟には、今も、多くの漁業者がいて、魚がいる。逆に言えば、水質や底質や水草があるから、豊かな美味しい魚がいて、漁業者がいるのだ。干拓後も水面は5分の1が残っている。皆で、八郎潟の賢い利用を考えよう」という本日の趣旨説明がありました。
 その間、隣の料理室では地元の3人の女性が料理を準備しており、2時間の講演中にも美味しい匂いがしていました(写真2)。
 12時に講演が終わると、別の部屋に移動して料理を食べることとなりましたが、そこで、地元の漁業者から簡単なお話を聞きました(写真3)。

Q:何年くらい、漁師をやっていましたか。
A:小学校から手伝っていたので60年以上はやっているが、何年と言われても・・・

Q:漁師だけでやっていましたか。大きな立派な家もありますが・・・
A:今もそうだが、この八郎潟で、漁師だけでやっている。
 (集まった方々から、大きな拍手が出た)

Q:今、一番困っていることは何でしょうか。
A:八郎潟には魚がいても、それを漁獲する漁師がいないことだ。

 次いで、作っていただいた女性から料理方法の説明があり(写真4)、食事となりました。

・ワカサギ天ぷら(衣に牛乳入り、卵なし):写真5
・ワカサギ天ぷら(衣に牛乳なし、卵入り):写真6
・ワカサギの佃煮(今年生まれの小型魚):写真7
・ワカサギのマリネー(1年魚の大型魚):写真8
・フナのすずめ焼き(小型のギンブナを背開きにして、から揚げにしてから甘露煮):写真9
・モクズガニの塩ゆで(生きたままを4%の塩水に入れ、ゆでる):写真10

 最後にアンケートをお願いし、回答をいただきましたが、ほとんどの方から美味しかった、楽しかったとの意見をいただきました。

・言葉だけでなく、食事のような実体験を通し心に残った。
・今回の体験を通じて、美味しいものを食べ、豊かな生態系を実感した。
・アオコのイメージがあったが、多くの魚がいて漁業があることに変わった。
・今後、作り方、食べ方を知りたい。
・汚いイメージから、実際に食べて今も糧になっていると感じた。
・同様のイベントを小中学校でできないか。採る、見る、食べる、を一連で。
・今の八郎潟を回って、自然や漁業を実際に見たい。
・後世に残ることは環境であることを自覚した。
・料理を食べることで八郎潟のイメージが広がった。

 回収した53人の中で、1030代が6人あったことは嬉しいことでした。また中には、「NPOの立ち上げは、未来への希望」との意見もあり、主催者としては喜ぶとともに責任も強く感じたところです。

写真1 講演風景 写真2 料理の準備中
写真3 八郎潟の漁師さんからのお話 写真4 料理の説明
写真5 牛乳入り衣(褐色に見える) 写真6 卵入り衣(白色に見える)
写真7 ワカサギの佃煮(今年生まれの小型魚 写真8 ワカサギのマリネー
写真9 フナのすずめ焼き 写真10 モクズガニの塩ゆで
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