秋田の水生生物
 ヒキガエル科  アマガエル科  アカガエル科  アオガエル科
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ヒキガエル科 Bufonidae
アズマヒキガエル Bufo japonicus formosus
 ガマガエルの一般名で知られる大型のカエルで、東日本に広く分布します。学名は「美しい日本のヒキガエル」という意味です。鼓膜の後ろにある耳腺とよばれる隆起からブフォトキシンという毒液を分泌します。
 産卵は雪解け前の3月から始まり、最盛期は低地では5月上旬です。卵嚢はヒモ状で、長さ5m以上にもなります。5月中旬頃から孵化し始めますが、標高の高いところなどでは6月の下旬にやっと孵化することもあります。

 鳥海山のような高地に生息する個体は10cm程度と小型であることから、以前はヤマヒキガエルとされていましたが、大きさ以外に顕著な差異がないことからアズマヒキガエルに統合されました。


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アマガエル科 Hylidae
ニホンアマガエル Hyla japonica

 日本国内に最も広く分布します。4〜8月にかけて水田や湿地などの流れのない水域で産卵が行われます。本種は、草の上では緑色をしていますが、周囲の色にあわせて体の色を変化させることが知られています。
 最近の研究から、オタマジャクシはサンショウウオのような捕食者がいるところでは、体を大きくして食べられないないようにする、「形態防御」が見られることが分かりました。

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アカガエル科 Ranidae
ニホンアカガエル Rana japonica japonica
秋田県 準絶滅危惧種

 平地や丘陵に分布します。繁殖期は1から3月がふつうで、水が残った水田や湿原などの浅い止水で産卵します。学名は、「日本産のアカガエル」という意味です。よく似た仲間にヤマアカガエルとは背と脇腹の境の筋がほぼ直線上である点で、タゴガエルとは指先がこぶ状にならずにただ丸い点で区別できます。
 
秋田の個体群をみると、ノドに淡い斑が入るなど、他の地域の個体群とは形態的に差異があるようです(山形県酒田市の個体はノドには斑が見られませんでした。下図参照)。Sumida & Ogata(1998)によれば、秋田の個体群は、東部と西部のグループから遺伝子が移入することによって形成されたと考えられています。



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タゴガエル Rana(Rana)tagoi tagoi

 主に山地に見られるカエルで、伏流水の中で産卵します。繁殖期の水温は9〜14℃と冷たく、大きな少数の卵を産みます。孵化したオタマジャクシは、エサを食べなくても卵黄のみの栄養でカエルの姿まで成長できるようです。よく似た仲間にニホンアカガエルとヤマアカガエルがいますが、指先が丸いこぶ状になっている点で区別できます。

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ヤマアカガエル Rana ornativentris

 平地や丘陵にも分布しますが、山地で多く見られます。繁殖期は2から4月がふつうで、湿原や池沼など日当たりの良い浅い止水で産卵します。学名は、「腹に模様をもったアカガエル」という意味です。よく似た仲間のニホンアカガエルとは背と脇腹の境の筋が目の後ろで内側に曲がる点で、タゴガエルとは、指先がこぶ状にならずにただ丸い点で区別できます。

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トノサマガエル Rana nigromaculata
環境省:準絶滅危惧種

 平地や低い丘陵地の水田や周囲の小川、池、湿地などに生息します。常に水の中や岸辺にいて、水辺から離れることはほとんどありません。日中もよく活動し、昆虫類やクモ、アメリカザリガニなどを食べます。繁殖期は地域により異なりますが、水田に水が入ると繁殖が始まります。

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ツチガエル Rana (Rana) rugosa

 平地から低い山地の水田や池沼、湿原など、流れのゆるい場所や流れのない止水に生息しています。体表に多数のイボがあることからイボガエルと呼ばれています。学名は「シワの多いカエル」という意味です。他のカエルとは異なり、オタマジャクシのまま冬を越すため、かなり大型(およそ8cm)になります。春先にみられる大型のオタマジャクシはツチガエルとウシガエルです。

鳴き声を聞く(秋田市雄和 2014.7.26)
アオガエル科 Rhacophoridae
モリアオガエル Rhacophorus arboreus

 主に樹上で生活する変わったカエルです。産卵の様子も独特で、1匹のメスに複数のオスが抱きついて、池の上にある木の枝にメレンゲ状のアワをつくり、その中に産卵します。2週間ほどで孵化したオタマジャクシは真下の池に落ちて、泳ぎ始めます。そして、1ヶ月後には変態して上陸します。

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シュレーゲルアオガエルRhacophorus shlegelli

 外国産のような名前ですが、モリアオガエルに近い仲間で在来種です。オランダの分類学者シュレーゲル氏が命名したのでこの名前になりました。メレンゲ状のアワをつくり、その中に産卵しますが、モリアオガエルと異なり、複数のオスが参加することは少ないようです。池や水田の縁に産卵します。

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カジカガエル Buergeria buergeri

 山地の開けた渓流や、その周囲の森林に生息します。繁殖期は4〜7月で、渓流の瀬の岸や転石の上でオスが縄張りをつくります。卵は、瀬の転石の下などに産み付けられます。

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カエル類  イモリ・サンショウウオ類

両生類 〜カエル(無尾)類〜

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